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万華鏡の向こうに見えた世界

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音楽の影響。
それは今も尚多大にあることであるが、
もっと遡ってそれらの「影響」を考えて見ると、
もっとも影響を受けたロックンロール以前の
「音楽」があったりする。


子供の頃に分けも分からずにTVにかじりついて観ていた
アイドルや演歌歌手など。
俺の子供の頃は、どのジャンルもバランスよくTVで聞けた時代だった。
ただ、カリスマ的なロックやニューミュージックのバンド、
アーティストなどは特別で、
その存在、音楽を雑誌、ラジオ、レコードでしか知る事の出来なかった特別な存在でもあったのだ。
そんな子供の頃、俺が誰よりも好きだった人が「岩崎宏美」でした。



イ ワ サ キ ヒ ロ ミ デ シ タ 。



所謂、当時はアイドルだったのだが、
その澄みきった歌声と真っすぐなストレートなロングヘアにドキドキしていたり。
きっと同じ世代の人なら分かってもらえるかもね。
ピンクレディー派、山口百恵派など色々だった。

8月の後半から一ヶ月ほど、
長年病気に患っていた父が遂に床に伏し実家へ戻っていた。
そんな時、何故か急に「宏美」さんの歌が聞きたくなり、
近所でベスト版のCDを購入して聴いた。
その歌声を聴いていたら、何だか不思議な気持ちになった。
自分でもよく分からないが、
今までの自分の音楽人生や、様々な出来事、失ってきた沢山のモノなど。
決して、悲観的な事ではなく。

昭和40〜50年代の我家で
お袋が台所で料理する「トントントン」という包丁の音を聞きながら
TVの前でじ〜っと聴いていた歌謡曲。
お年玉で買ったシングルレコードやアルバム。
なんて特別で素敵な時間だったんだろうか。
自分のおってきた生活のそばには常に
そんな音楽やシチュエーションがあったのだ。
今よりも大きかった空を眺めながら友達と大声で歌ったあの頃の歌の数々。
どこまでも天に飛んでいけそうな気分だった。



ド コ マ デ モ テ ン ニ ト ン デ イ ケ ソ ウ ナ キ ブ ン ダ ッ タ 。



そんな「宏美」さんのCDを聴いていた時に、ふと、
ベッドに寝ていた親父が
「岩崎宏美の歌はいいな〜」と言う言葉が印象的だった。
きっと親父は当時、「そんなアイドルに夢中になりやがって」
みたいに思っていた筈だ。
そんな父もなお、
時代や時間を経てその歌声に魅了されている事に何だか嬉しかったり。

父の病状や俺の心情に何度もメッセージを送ってくれた「宏美」さん。
新しいアルバムまで送ってくれ、
なんて自分は幸せなのだろうか、と痛感した瞬間だった。
そして、「音楽」を続けて来て本当によかった。


誰にどれだけ影響を受けたとかの比率ではなく、
どれだけ純粋にそれらの「音楽」が好きだったかと言う事をあらためて思ったこの頃だった。


宏美さん。ありがとうございます。

■2007.10.03.著


e0107476_4424550.jpgBGM : 岩崎宏美 【 PRAHA 】

2007年9月リリース。
ドボルザークホールにて収録されたチェコ・フィルハーモニー管弦楽団とのコラボレーション企画。
現役で歌い続けている「宏美」さんが送ってくれた俺にとって特別なアルバムです。

デビュー当時からの様々な曲のセルフカバー集。
世の中、分け分からずに歌姫とよばれる子もいるけど、
宏美さんこそ本当の【歌姫】だと信じてやみません。
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by ohpg | 2007-10-03 04:48 | Bar's Column